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まいむのFQ二次創作

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あなたにインタビュー

※「一途なのは・・・誰?」の続きですが、未読でもお楽しみいただけると思います。

恋愛小説を書いてみる気になったパステル。
アドバイスをもらおうと、猪鹿亭のリタに相談したことから、まわりの人に恋愛についてインタビューをすることになり・・・



 


「ねえ、リタ。わたし、今度は恋愛小説を書いてみようかと思うんだ」
 猪鹿亭でのティータイム。
 わたしは、お昼のランチタイムを終えて休憩中のリタと、お茶をしながらおしゃべりをしていた。
 「れんあいしょうせつぅ?」
 リタが素っ頓狂な声をあげる。
 そんな大声出さないでよ!
 まだ書いてもいないのに、恥ずかしいじゃない!
 わたしは、くちびるに人差し指を当てて、あわてて周りを見回した。
 幸い、他のお客さんも自分たちのおしゃべりに夢中。誰もこっちを見てはいなかった。
 「そうなの、ほら、エベリンでものすごくいいお芝居を見たっていう話をしたじゃない」
 「うんうん」
 「それで・・・なんというか、やっぱり、わたしも書いてみたいなぁ~、と思いまして・・・」
 「それでそれで?」
 「できれば、リタにアドバイスをもらいたいのよ」
 印刷屋のご主人から、「今度増刊号を出すから、パステルさんもぜひ読みきり作品を1本書いてくれないか」って、言われちゃったのよね。
 ほら、これまで、ずっと「冒険時代」で冒険談を連載させてもらってたじゃない?
 なんでも、刊行30周年を迎えるそうで、増刊特大号を出すんだとか・・・
 せっかくだから、新しいもの書いてみようかと思って。
 今は大きなクエスト終えたばっかりで、ちょっと一休みしようかって言ってたところだし。
 ギアのこともあって、わたしにはそういうことはまだ無理なんだと思ってたけど・・・
 逆に、今のこの気持ちを、残しておきたいっていう気持ちもあるんだよね。
 いやー、やっぱりわたしも、物書きのはしくれってやつですから!?
 お芝居を見たことも、いい刺激になったのかな。
 ただね、もうちょっと、いろんな人の恋愛感とか、参考にしたいんだよね。
 冒険者してると、普通の女の子とはどうしても違っちゃう。
 リタは、どうなんだろう!?
 
 そんなだいたいの事情をリタに話すと、リタは大きくうなずいた。
 「なるほどね」
 そして、私にウインクをした。
 「クレイとか、トラップに聞いてみたら?なんだかんだあいつら、もてるじゃない。それとも、あいつらに群がってる女の子たちにインタビューするっていうのは、どう?」
 「ええー!?クレイやトラップに、恋愛とは何かって聞くの?」
 どんな答えが返ってくるんだろ!?
 想像できないんですけどー!
 リタはうんうんとうなずきながら、ニヤリと笑った。
 「じゃあ、とりあえず女の子たちに聞いてみたら?ほら、小説のモデルにするかもって言ったら、きっとみんな喜んで話してくれると思うんだけど?」
 「う~ん、そうかなあ・・・」
 実は、わたしはリタとは仲良しだけど、シルバーリーブの同じくらいの年頃の女の子と、面と向かって話したことがないんだよね。
 買い物に行って、お客さんとして話をするくらい。
 なんでかっていうと・・・だって、みんな、あからさまにわたしのこと敵視してるんだもん!
 つまりは、みんなクレイやトラップのファンなわけ。
 わたしたちも、ジャイアントスパイダーゴンからシルバーリーブ救って以来、ここでは英雄扱いだから。まだまだレベルはたいしたことないんだけどね。
 まあ、年頃も同じだし、クレイやトラップをカッコイイヒーローとして見ちゃうのも、無理はない。
 で、わたしはクレイやトラップと一緒に生活してるとは言っても、家族みたいなものじゃない?
だから、好きとか嫌いとか、そんなんじゃないのに。彼女たちはライバルだと思ってるのよね、わたしのこと。
 その子たちにインタビューをしろ、と?
 げんなりしてしまったわたしの肩を、リタがぽーんと叩く。
 「いいじゃない、ついでに仲良くなっちゃえば、ライバルじゃないって思ってくれるかもよ?例えば・・・彼女たちの気持ちを尊重してあげる、とか」
 ああ~、なるほど。
 リタ、あったまい~い!
恋愛小説のネタ集めと、一石二鳥になるってこと!? 
わたしは俄然、やる気になってしまった。
 「じゃあリタ、協力してくれる?」
 「もっちろん!セッティングしてあげるから、まかせといてよ!」
 
 名づけて、“パステル・G・キング先生のインタビューを受けて、恋愛小説のモデルになりませんか?の集い”だって。
 たはは、恥ずかしー!
 でも、私が思ったよりもずっと効果があった。
 自分の村で発行してる小冊子に載ってるわけだからね、読んでくれてる子も多いみたい。
 リタの好意で、午後の猪鹿亭を貸切にさせてもらって、女の子たちを集めてインタビュー。
 もちろん、クレイやトラップには内緒。
 クレイのバイト先の隣の雑貨屋さんの女の子や、トラップの通ってる美容院の女の子・・・みんな、ふたりのファンクラブの子たちだ。
 「えーと、まず、みなさんにとって恋愛とは何かって言うことを聞きたいんですけど・・・」
 一応聞きたいことはメモに書き出してきたけど、うわー、緊張する!
 まるでわたしを試すかのような視線!
 品定めをされているかのような・・・みんなおしゃれだし。着の身着のままなわたしとは違う。
 お化粧ばっちりしてる子もいるよ~。
 わたしがおたおたと女の子たちの顔を見渡していると、ふわふわと髪をカールさせた女の子が口を開いた。雑貨屋さんの手伝いをしてる子だ。
 「う~んとね、日常の、スパイスって言うのかしら?」
 「ああ~ん、わっかるぅ~。やっぱりぃ~、好きな人がいるといないとじゃあ、気持ちがぜぇんぜ~ん違うよねぇ~」
 「だって、オシャレにも気合い入るしぃ。毎日楽しいしぃ」
 「ちょっとおしゃべりできるだけでも、幸せだよねぇ」
 あらら、ひとりが口を開くと、後はもう大おしゃべり大会だ。
 わたしは、サービスのお茶を配っているリタと顔を見合わせて、ちょっと笑った。
 そうそう、メモしなきゃね、メモメモ。
 わたしは、女の子たちのとりとめもないおしゃべりを書き留めながら、尋ねた。
 「じゃあ、もし、好きな人と想いが通じたら、どんなデートをしたいですか?」
 きゃあーっと盛り上がる女の子たち。
 「えー、やだぁ、恥ずかしいっ!」
 「わたしはねぇ、クレイのためにお弁当作ってぇ、ふたりでピクニック行くぅ~」
 「やっぱり星空の下でデートでしょ!夜空に輝く星よりも、キミのほうがキレイだよ、みたいな!」
 「あんた、そんなロマンチストだったっけ?」
 「っていうか、夢見すぎ!」
 「トラップだったら、どんなデートがいいかなぁ?」
 「エベリン行って、ショッピングがいいよぉ。で、おそろいのアクセサリー買っちゃったりして!」
 「夜はムードのあるレストランでディナーよね!」
 「いいよねー、かっこよくエスコートしてほし~い」
 星空の下でデート・・・ムードのあるレストランで・・・
 うう、頭くらくらしてきた。あいつらにそんなお相手がつとまるもんでしょーか。
 「でもさあ、実際どーなのかなぁ」
 「やだー、それは言わない約束でしょ」
 「気になるけどさー」
 ええ?なになに?
 急に女の子たちがしゅんとして、お互いの顔をちらちらと見ている。
 「なんですか?わたしにわかることだったら、なんでもお答えしますけど」
 好きな食べ物とか?好きな色とか?
 家族同然で生活してるから、それくらいなら答えてあげられる。
 恋してキラキラしてる女の子たちを見て、なんだか応援してあげたくなっちゃった。
 彼女たちは、決心したようにひとつうなずくと、一斉に口を開いた。
 「クレイって誰が好きなの??」
 「トラップって、誰が好きなの??」
 「ええええー?」
 そ、そんなのわかんないよぉ。
 いくらパーティだからって、そんなプライベートなことまで言わないし。
 でも、みんな本気なんだなぁ。
 目を潤ませてる子もいる。みんな真剣なんだよね。
 しかし、わたしが答えないのを見て、彼女たちの目の色が変わった。
「もしかして、パステル・・・どっちかのことが、好きなんじゃ・・・」
 いや、誤解だって!
 「ち、違う違う!わたしは家族みたいなもんで、そんなのじゃなくて!」
わたしが困っていると、黙って様子を見ていたリタが助け舟を出してくれた。 
「まあまあ、みんな落ち着きなよ。だったらさ、パステルから、それとなく聞いてもらうってのはどう?」
「リ、リタ!」
それはそれでけっこうハードル高いんですけど!
がばっとばかりにリタのほうを見ると、彼女は頬杖をついてのんびりお茶を飲んでいる。
 「あ~、それいい~」
 「パステル、お願いっ!」
 あらら、わたしがリタをにらみつけている隙に、女の子たちがその気になってしまった!
 リタはそしらぬ顔。
 って、あなた、面白がってない?
 うそー、それとなく聞くって言ったって、どうすればいいのよ。
 困ってしまったわたしを見て、再び目の色を変える女の子たち。
 「聞けないの?やっぱりもしかしてパステル・・・」
 ひえー!こ、こわいんですけど!
 わたしは慌てて顔の前で手を振った。
 「わかった、わかりましたってば!」
 もう、そう言うしかない。
 えーい、なんとでもなれだ!
 ただ、どんな答えが出たって、わたし知らないからね!
 ・・・だって、誰か一人が選ばれちゃったら、あなたたちどうするのよ・・・
 
 たまたま、その日はクレイが夕食の後片付け当番だった。
 これって、ふたりきりで話せるチャンスだよね?
 「ん?どうした、パステル。今日はおれの当番だから、ゆっくりしてなよ」
 洗い終わった食器を拭こうと、わたしがふきんと手に取ると、手を泡だらけにしたクレイが言った。
 「ちょっとね、クレイに聞きたいことがあって」
 「なんかあったのか?だったら、片付けなんて後にして、あっちで・・・」
 「ううん、大したことじゃないから、このままでいいよ!」
 さすが気配りクレイ。
 でも、面と向かって聞くのもやりづらいからね。このまま世間話みたいに聞いてしまいたい。
 「ねえ、クレイは、ここの女の子たちのこと、どう思ってるの?」
 「どうって・・・みんないい子だよね。買い物するときとかおまけしてくれるし。こないだは、家で焼いたクッキーを分けてくれたじゃん。パステルも食べただろ?うまかったよなー、あれ」
 うん、あれは美味しかった!
 たぶん、一生懸命焼いたんだろうな。ひとつひとつがハート型で、「食べて食べて!」って主張してる感じ。
 それに、クレイが買い物に行くと、わたしが買いに行くよりもかなりお買い得にしてくれるんだよね。パーティのお財布担当としては、相当助かってる。
 でも。
 「いや・・・そうじゃなくて・・・たとえば、あの中に、好きな女の子がいるのかどうかってことよ」
 あれれ、ちょっと待って。
 これじゃ、それとなくどころか、直球ストレートだ。
 しまった・・・
 鈍感なクレイもさすがにおかしいと思ったんだろう。
 「パステル・・・?」
 「あ、あのね、実は・・・」
 しかし、女の子たちに、クレイの好きな人を聞いてきて欲しいって頼まれたなんて、口が裂けても言えませ~ん。
 だからわたしは、恋愛小説を書こうと思って、まわりにインタビューしていることだけを話した。
 「ああ、そうなんだ。いいんじゃないか?きっと、パステルの、文章力って言うのか?そういうのもつくと思うし」
 素直なクレイは、それだけで納得してくれた。
 「で、まわりの女の子で、気に入ってる子がいるのかどうかな~、と思って。もしいるなら、参考にさせてもらおうかな」
 わたしが聞くと、クレイは苦笑して首を振る。
 「いるわけないだろ。みんないい友達じゃないか」
 洗い終わった食器を重ねて片付けながら、続けるクレイ。
 「それに、おれは自分のことで精一杯だよ。彼女たちはいろいろおれの世話を焼きたがってるみたいだけど・・・ちょっと遠慮して欲しいときもあるよな」
 憂いをふくんだ顔で、そっと笑う。
 そっか、クレイはクレイで自分の問題・・・つまり、自分がファイターとしてやっていけるのかとか?・・・で手一杯ってことなんだ。
 「パステルが持たせてくれたお弁当があるのに、いっぱい差し入れてくれるときとか、困るし」
 わたしが考えてることがわかったんだろう。クレイはちょっと冗談っぽく言って、わたしの頭をぽんぽんと叩いた。
 「力になれなくて悪いな。参考にするなら、誰か、他のやつにインタビューしてくれよ」
 
次はトラップか・・・
 正直言って、気が重い。
 トラップに恋愛小説を書きたいなんて言ったら、バカにされるに決まってるし、かといって女の子たちから頼まれたなんて、やっぱり言うわけにいかない。
 でもでも、わたし顔に出るたちだからなぁ~。
 みんなはもう寝てしまったんだろう。
 わたしは夜の静かなダイニングで、ひとりホットミルクを飲みながらうだうだ考えていた。
 すると、ダイニングの扉が静かに開いた。 
「おめえ、なに飲んでんだ?」
トラップだ!!
あわわ、どうしよう。まだどうするか、覚悟が決まってないんですけどー!
 「おれにもくれよ」
 ぶすっとした顔で、わたしの向かい側のイスに座る。
 「う、うん。ホットミルクだけど、同じものでいい?」
 「いい」
 あれ?珍しい。トラップがホットミルクでいいなんて。
 いつも暑いときはビールで、寒いときはコーヒーなのに。
 ともあれ、助かった。ミルク用意してる間、時間稼ぎになるじゃない?
 わたしがキッチンでミルクを火にかけていると、、ぼそぼそとしたトラップの声がおいかけてきた。
 「あんたさ、最近なんかコソコソしてねえ?」
 「へっ??」
 うそ、ばれてるの?
 わたしは凍りついた。
 「今日も猪鹿亭でなんか集まってただろ」
 ばればれだし!
 わたしは、がっくり肩を落とした。
 ううう・・・みんな、ごめんね。もう、ストレートに聞くしかないみたい。
 「うん・・・あのね、トラップ」
 わたしはホットミルクの入ったマグカップを持つと、ダイニングに戻って、トラップの前に座った。
 「トラップって、好きな子いるの?」
ガタッ!!
これは、トラップがイスごとこけた音。
おおっ、このリアクションは、いるんじゃない?
顔だって真っ赤だし!
「誰、誰?やっぱりあの女の子たちのなかにいるの?それともマリーナ?・・・あ、そっか、ジェリーと一緒にいたキムって子?」
わたしが思わず身を乗り出すと、トラップは憮然とした顔でイスに座りなおしながら言った。
「・・・ぶぁっかやろう、ちげえって。つーか、なんでおめえにそんなこと言わなきゃなんねーんだよ!」
「いや~、その、頼まれちゃったのよ、あの女の子たちに」
「んだぁ?おれが誰を好きか聞けって?」
「・・・そう」
トラップは、心底うんざりした顔で片ひじをつくと、わたしに指をつきつけて言い聞かせるように一言ずつ区切って言った。
「す・く・な・く・と・も、あ・い・つ・ら・じゃ・ね・え!!」
「えー、そうなの?いっつもチヤホヤされて嬉しそうにしてるじゃない。あの子たち、トラップのこと大好きなんだよ」
トラップは大きなため息をついた。
「あいつらは、キャーキャーいうのが好きなだけだっつーの。恋愛ゴッコ!」
「恋愛ゴッコ?」
「そゆこと。誰でもいーんだよ、いい男ならな」
トラップがいい男かどうかは別として・・・あらら、意外。
トラップって、冷静なのね。っていうか、恋愛に関しても現実的なのかも。
金銭感覚は壊れてるけど、それ以外はシッカリしてんのよね。
感心してるわたしをヨソに、トラップはうつむいて頭を抱えると、ぼそぼそと続けている。
「そりゃ、悪い気はしねーけどさ・・・ほんとに好きだったら、あんなふうに騒いでらんねえよ。そばにいるだけでいいし、ずっと見守ってやろうとか、思うだろうし」
「あー、わかるかも、それ!わたしもジュン・ケイと一緒にいたときは、それどころじゃなかったもん。そばにいるだけで幸せでさー。なんていうかさ、自分がわかんなくなっちゃうし、パニックだよね」
そうそう、もう舞い上がっちゃって、言葉もうまくしゃべれなくなって。
そういうもんだよねー。
うんうんとうなずきながら手を握り締めているわたしを、ちらっと見たトラップ。
ふっと笑って、こう言った。
「けっ、おれは、おめーとはちげえよ」
 
次の日、再び女の子たちに猪鹿亭に集まってもらったわたし。
「というわけで、今のところクレイもトラップも、特定の誰かっていうのはないみたいです」
結果報告をして、ほっと一息ついた。
報告とは言っても、クレイがちょっと困ってるとか、トラップが恋愛ゴッコだと言ってたとかは伏せて、ね。
わたしの口から言うことじゃないし。
でも、女の子たちにはそれで充分だったようだ。
「だよね~、わたしもそう思ってた!」
「だってクレイはみんなに優しいし~」
「トラップはギャンブルが恋人みたいだし~」
結局そのまま、キャアキャアとおしゃべり大会。
わたしが、やれやれと、リタのいる隅のテーブルについたときだった。
バーンと開く猪鹿亭の扉。ひとりの女の子が息せき切って駆け込んできた。
「みんな、聞いて!」
キレイにカールした髪を振り乱した彼女は、ぜいぜい言いながら、叫ぶ。
「今ついた乗合馬車に、チョーかっこいい騎士様が乗ってたのよ!」
「なんですってぇぇぇ!?」
色めきたって立ち上がる女の子たち。
「どこよ、どこにいるの!?」
「今、市場でお買い物されてるわ!」
ばたばたばた・・・
さっきまで、やれクレイのどこがカッコイイだの、やれトラップのどこがステキだの言い合っていた女の子たちは、あっという間にひとりもいなくなってしまった。
それを呆然と見送ったわたし。
その横では、リタが、慣れた手つきでお茶を煎れなおしてくれる。
わたしはお礼を言って、お茶を飲みながら、つぶやいた。
「トラップが言ってたこと、正しかったんだわ・・・」
「ヤツ、なんて言ってたの?」
「あのね、彼女たちのは恋愛ゴッコなんだって。キャーキャー言いたいだけなんだって」
リタは、それを聞いてふふんと笑った。
「なんか他に言われなかった?」
「他に?トラップに?」
なんか言われたっけ?
えっと、ほんとに好きだったら、そばにいるだけでいいとか?守ってやりたいとか?
思い出しつつ話すわたしを、リタはにやにやしながら見ている。
「で、パステルはどう思ったの?」
「どうって・・・意外と、古風なんだなって。おかしいよねー、トラップのくせに」
そう、あのトラップが!
好きな人を守りたいだなんて、そんな風に考えてるなんて!
なんだかんだ言って、トラップのインタビューが一番小説のネタになりそう!
思わず忍び笑いをもらすわたしを見て、リタががっくりと肩を落としている。
「え、どうしたの、リタ」
なんかわたし変なこと言った?
覗き込んだわたしの目の前でひらひらと手を振り、リタはこう言った。
「やっぱり、パステルには無理だと思うわ、恋愛小説」
 
 
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プロフィール

HN:
まいむ
性別:
女性
自己紹介:
中学生の時にフォーチュンクエストにはまり、一時期手放していたものの、最近になって改めて全巻買い揃え・・・ついには二次創作まで始めてしまいました。まだ未熟ですが、自分の妄想を補完するためにも、がんがん書いていきたいと思ってます。
温かく見守ってくださる読者様募集中です。

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