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まいむのFQ二次創作

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ルーミィ誘拐事件!?(仮) 11/29

・・・新作、11月末に間に合いませんでした。
本当に申し訳ありません。

連載なんて言えるものではありませんが、決定稿と言えそうな部分までの公開とさせていただきます。
タイトルも仮ですが、みーちょさんからいただいた36000のキリリクです!

決定稿ができしだい、この記事を上書きしていく形でUPします。
(もしかしたら、細部書き換えもあるかもしれません・・・)
記事タイトル部分の、日付をご確認くださいませ。

では、続きからどうぞ・・・






 「うわっ、さ、寒・・・!」
 わたしは、思わず毛布を抱きしめた。
 
 夏も終わり、冬に向かって季節が動き出す頃・・・
 わたしたちパーティは、本格的に冬に入る前に、最後のおつかいクエストに出ていた。
 毎年、冬はアルバイトをして過ごすのが恒例だからね。
 その今年最後のクエストの帰り、森で野宿をしていたんだけど。
 もう、野宿も辛いな~。
 せめて、新しい毛布が欲しい!
 今年は、いつもよりもバイトがんばって・・・冬物のセールで、厚手の毛布を買おうっと。
 そんなことを思いながら、毛布をたぐりよせると・・・
 「あれ? ルーミィ? シロちゃん?」
 すぐ隣で寝ているはずの、ルーミィとシロちゃんがいない。
 あのふたりがいると・・・すごく温かいのに。
 通りで、寒いわけだ!
 わたしは毛布をたたんで、朝靄の立ち込める森の中を見渡した。
 焚き火のそばで、火の番をしていたらしいキットンが、わたしに気づいて声をかけてくれる。
 「おや、パステル。おはようございます」
 「おはよ、キットン」
 わたしは、キットンがつついている火のそばに座り込んだ。
 うう・・・あったかい。
 生き返る~!
 手をかざすと、指先からじんわりと温まっていくのがよく分かる。
 「ねえ、キットン。ルーミィとシロちゃん知らない? 一緒に寝てたはずなんだけど・・・」
 「ああ、あのふたりでしたら、散歩に行きましたよ」
 キットンは、枝をポキリと折って、火に放り込んで言った。
 「今朝は、早く目が覚めてしまったみたいですね」
 「へぇ~、珍しいこともあるのね」
 シロちゃんがついてるなら、そんなに遠くに行くこともないだろうし。
 朝ごはんもまだだから、きっとおなかがすいたら戻ってくるよね。
 よーし、二人が帰ってくる前に、ごはんの支度しちゃお!
 「あ、ノル!」
 わたしがリュックサックを漁っていると、近くの茂みから、ノルが姿をあらわした。
 手に、枯れ枝をいっぱいに抱えている。
 朝ごはん用の薪を拾ってきてくれたみたい。
 確かにこんな小さな火じゃ、朝ごはん作るにはちょっと心もとないもんね。
 「さんきゅっ!」
 わたしが言うと、ノルはにっこりと微笑んで、薪を火にくべてくれた。
 わたしは、ナベを取り出して火にかけて、カンヅメのスープをあたためる。
 その横で、パンをあぶって・・・
 しっとりとした空気に覆われる森に、いい匂いが立ち込める。
 「ふぁぁぁ、腹減ったなぁ」
 大きく伸びをして、体を起こしたのはクレイだ。
 「おはよ、クレイ」
 「おはよう、パステル! 美味そうな匂いだな!」
 クレイが、目をこすりながらナベを覗き込んだ。
 あーあ、頭、寝ぐせでぼさぼさ。
 しかもほっぺた、葉っぱくっついてるよ!
 ハンサム・ボーイが台無しだ。
 「ね、クレイ。ルーミィとシロちゃんを、探してきてくれない?」
 「ルーミィとシロ? どこか行ってるのか?」
 「うん、散歩に行ったらしいんだけど・・・その辺で遊んでるんじゃないかな」
 「おれの行ったほうには、いなかったみたいだ」
 わたしの言葉に、ノルが付け足してくれる。
 「わかった。ちょっと見てくる」
 クレイはうなずくと、マントを羽織って立ち上がった。
 「よろしく!」
 さぁて、あとは・・・
 クレイを見送ったわたしは、ちっとも動く様子のない毛布のカタマリを見た。
 やっぱり、最後は・・・コイツかぁ。
 「ねえ、キットン・・・あれ、起こしてくんない?」
 わたしが、キットンに言うと。
 キットンは、心底嫌そうに顔をしかめた。
 といっても、ボサボサの前髪のせいで、顔の下半分しか見えないんだけどね。
 「えー、わたしがですかぁ? パステルが起こしてくださいよ」
 「おれも、パステルが起こしたほうが、早いと思う」
 えええー?
 わたし??
 キットンはともかく、ノルまでそんなこと言うなんて・・・ひどいなぁ、もう。
 なんだか最近、トラップを起こす担当がわたしになってる気がするんだけど・・・気のせい?
 「もう、しょうがないなぁ・・・ほら、トラップ! もう朝ごはんよ!」
 「う~、むむむむ・・・」
 わたしが毛布のカタマリを思いっきり揺さぶると、それはもぞもぞと動いて・・・赤毛をちらりと覗かせる。
 ・・・でも、それだけ。
 もう、もうもう!
 ほんっとに、手間がかかるんだから!
 いっそのこと、蹴飛ばしてやろうかとわたしが構えた、そのとき。
 
 「大変だ、大変だ!」
 静かな森に響き渡る大声で叫びながら戻ってきた、クレイ。
 その後ろを、シロちゃんが転がるように駆けてくる。
 白いふわふわの毛には、枯れ草や枯れ葉がいっぱいくっついていた。
 あれ?
 ・・・シロちゃんだけ? ルーミィは?
 わたしの胸を、さっと不安がよぎる。
 「どうしたの? まさか、何かあったの?」
 シロちゃんを抱き上げると、彼はクルクルした黒い目でわたしを見つめて、こう言った。 
 「ルーミィしゃんが、連れて行かれちゃったデシ!」
 
 
 
 「ウ、ウソでしょ!?」
 わたしが思わず叫ぶと、シロちゃんはたちまちしょんぼりしてしまった。
 「ご、ごめんなさいデシ・・・」
 「そんな・・・どうして・・・だってシロちゃんが一緒にいたんでしょ!?」
 「落ち着けよ、パステル。とりあえず、シロの話を聞こう」
 クレイが、わたしの腕からシロちゃんを抱き上げて下ろすけど。
 わたしは呆然と、されるがまま。
 だって、だって・・・!!
 ルーミィが連れて行かれたって、どういうこと!?
なんでこんな野宿のときに限って、ルーミィの目が早く覚めちゃったの!?
 わたしが、ルーミィたちが起き出したのに気づいていれば・・・!
 ううん、それに。
火の見張りをしていたキットンが、止めてくれればよかったのに!
 
 わたしの頭の中を、いろんな考えがぐるぐると駆け巡る。
 ああ、ダメ!
 もう、じっとしていられない!
 「ク、クレイ! わたし、ルーミィ探してくる!」
 「おい、パステル!」
 パニックになったわたしがクレイの制止を振り切って、森の中へ駆け込もうとすると。
 「きゃぁぁ!」
 ドーンと誰かに突き飛ばされた。
 勢い良く、地面に転がるわたし。
 そのわたしを冷たい目で見下ろしていたのは、トラップだった。
 い、いつの間に起きたんだろ?
 「バカか、おめぇはよ! 探しに行くったって、どこ行くつもりなんだよ!」
 一瞬キョトンとしてしまったわたしだけど・・・頭ごなしに怒鳴りつけられて、思わずカッとなって言い返した。
 「どこって、その辺りに決まってるじゃない!」
 そんなわたしを、トラップは短く息をついて呆れたように見る。
 「ハッ、ただの迷子じゃねーんだぞ? おめー、シロの話聞いてたのかよ?」
 「だ、だから、ルーミィがいなくなったって・・・」
 「ちげーよ、バカ! 連れて行かれたって、シロは言ってんだよ! ってことは、第三者がいるってことだ。おめーひとりでうろついて、おめーまでそいつらに捕まったら、どーすんだよ!」
 「あ・・・」
 顔を真っ赤にして怒るトラップを、地面に尻餅をついたまま見上げていたわたしは、ハッとなった。
 そっか、そうだよね・・・
 まず、シロちゃんの話を聞かなくちゃ。
 しかも、わたし・・・シロちゃんを、責めるようなこと、言っちゃった。
 すうっと頭が冴えていく。
 わたしは、地面に座りなおして、シロちゃんに言った。
 「ごめんね、シロちゃん・・・わたし、あなたにひどいこと言っちゃった」
 「ううん、そんなことないデシよ。ボクがルーミィしゃんを守れなかったんデシから・・・」
 ぷるぷると首を振るシロちゃんの頭を、わたしは優しく撫でた。
「そのときの様子を、聞かせてくれる?」
 「はいデシ!」
 みんなで、シロちゃんを囲むようにして、座る。
 「ボクたち、あっちのほうで泉を見つけたんデシ」
 「ほほう、湧き水ですか?」
 「わかんないデシ。でも、とってもキレイなお水だったデシ。んで、ルーミィしゃんと、そこで少し遊んでたんデシけど・・・そしたら、大きな壺を持った男の人が、いっぱい来たんデシ」
 「大きな壺を持った男の人!?」
 わたしたちは、思わず顔を見合わせた。
 こんな森の奥深くに・・・住んでる人がいるってこと?
 「そうデシ。その人たちはルーミィしゃんを見て、神の使いだって言って・・・連れて行っちゃったんデシ」
 「神の、使い!?」
 「なにそれ!」
 「なんか・・・イヤな予感がするな・・・」
 「神の使いなら、生贄って言われるよか、マシじゃねえの?」
 「ト、トラップ! 縁起でもないことを!」
 「ボク、やめてくださいって言ったんデシけど・・・蹴飛ばされて、気を失っちゃったデシ」
 すまなそうにうなだれるシロちゃんを、わたしは優しく抱きしめた。
 「ううん、いいのよ! こうして、シロちゃんだけでも戻ってきてくれなかったら、ルーミィが連れて行かれたこともわかんなかったんだし」
 「ま、相手が人間だって分かっただけでも、マシだしな」
 うなずくトラップに、キットンが力強く同意した。
 「ええ、それに・・・おそらく、近くに集落か何かがあるんでしょう」
 「だな!」
「え、どうして?」
 今のシロちゃんの話で、そこまでわかるの?
 わたしが尋ねると、キットンは短い指をピッと立てて、ニヤリと笑った。
 「大きな壺を持っていたということは、その泉に生活用水・・・飲み水を、取りに来たんだと思われます。シロちゃん、その人たちは何かに乗っていましたか? それとも、歩きでしたか?」
 「歩いてたデシ!」
 「では、きっとそう遠くはありませんね」
 前髪に隠れたキットンの目が、キラッと光る。
 「探してみましょう」
 
 
 
 何があるか分からないから、焚き火の始末もして、荷物をすべてまとめた。
 目が覚めたときは、こんなことになるなんて、思いもしなかった・・・
 ルーミィを連れ去ったのは、一体どんな人たちなんだろう?
 それに・・・神の使いって、なんだろう。
 キットンは、そう言うからには、ルーミィに危害を加えるようなことはないだろうって言ってたけど・・・
 
 ううう、ぶるぶるぶる。
 
 ルーミィ、お願い!
 無事でいて!

 

 <つづく>
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はじめに

当ブログはFQの非公式ファンサイトです。
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プロフィール

HN:
まいむ
性別:
女性
自己紹介:
中学生の時にフォーチュンクエストにはまり、一時期手放していたものの、最近になって改めて全巻買い揃え・・・ついには二次創作まで始めてしまいました。まだ未熟ですが、自分の妄想を補完するためにも、がんがん書いていきたいと思ってます。
温かく見守ってくださる読者様募集中です。

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