シルバーリーブからこんにちは～ハロウィン編～

ある日、パステルの元に、一風変わったファンレターが届きました。
おやおや、それを読んだパステル、あたりをキョロキョロと見回して、手を振ったり笑いかけたりしています。
一体、どうしたんでしょう･･･？

※脚本風にお送りします！

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パステル：「はい、みなさんこんにちは！　こちら、シルバーリーブのパステル・Ｇ・キングでございます！」

（パステルの横から、トラップ顔を出す）

トラップ：「･･･おい、パステル。ついにおめぇ、頭イカれちまったのか？　なに空中に向かってしゃべってんだよ」
パステル：「失礼ね！　違うのよ。こないだ、ちょっと変わったファンレターをもらって･･･」

（パステル、ごそごそと封筒を取り出す）

トラップ：「ふん、なになに･･･？　いつも、パステルさんたちの生活を、遠い世界から覗き見て楽しませてもらってます･･･！？」

（トラップ、不審そうに辺りを見回す）

トラップ：「なんだよ、覗き見って！　どこからだよ！」
パステル：「だから、遠い世界からって、書いてあるじゃない！　覗き見してるんだったら、もしかしたら声も届くかな～と思って、呼びかけてみたのよね！」

（トラップ、今度はパステルを薄気味悪そうに見て呟く）

トラップ：「げ･･･おめぇって･･･なんつーか･･･よくそういうこと、シラフで言えるよなぁ」

（パステル、聞こえていないらしい）

パステル：「ほら、続き、読んでみてよ」
トラップ：「へいへい。･･･私たちの世界では、秋の終わりにハロウィンというイベントがあります。パステルさんたちの世界には、ハロウィンはありますか？」
キットン：「ふむふむ、なるほど･･･」
パステル＆トラップ：「うわっ！」

（キットン、突然現われて手紙を覗き込む。その後ろにはクレイ）

キットン：「ほほう。死者がこの･･･ハロウィンの日に帰ってくると言われているんですね。で、それらから身を守るために悪霊や魔女に仮装して、火を焚く･･･と」
クレイ：「仮装か･･･面白そうだな！」
パステル：「仮装なんてやったことないし･･･やってみる！？」
トラップ：「ばぁーか！　ＪＢんとこで、何度もやってんじゃねぇか！　ノルなんて･･･ありゃ、女装じゃなくて明らかに仮装だろ！」

（ひっそりと話を聞いていたノル、無言で頬を赤らめる)

パステル：「まあ、そう言われてみれば･･･」

（ひとりで手紙を読んでいたキットン、手紙の一文を指差して)

キットン：「だったら、これはどうです？　カボチャをくりぬいて、お面を作るらしいですよ。それをかぶって、『お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ！』という合言葉を言うらしいです」
パステル：「ええっ、カボチャを！？　もったいない！」

（パステル、思わず叫ぶ。キットン、苦笑）

キットン：「いえいえ、中身はカボチャのお菓子に使うんですよ。ほら、パンプキンパイとか、マフィンとか」

（パステル、赤面）

パステル：「あ、ああ～！　なーるほどね！」
トラップ：「ブハッ、けちくせぇ～！」
パステル：「な、何言ってるのよ！　もったいないものはもったいないでしょ！」

（パステル、トラップを叩くふりをする）
（お菓子という言葉を聞いて、ルーミィとシロがやってくる）

ルーミィ：「ルーミィ、ぱーぷきんぱい、すきだお！」
シロ：「ボクも好きデシ！」

（クレイ、一同の顔を見回して）

クレイ：「よし、じゃぁ･･･やってみるか！」
一同：「オッケー！」
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キットン：「いやぁ、成長促進剤を開発しておいて、よかったですよ！　ノル、この大きさのカボチャなら使えますか？」

（キットン、畑から収穫してきた大きなカボチャをノルに渡す）

ノル：「うん、すごいな、これ」

（カボチャを受け取ったノル、ナイフで器用に中身をくりぬき始める）
（パステル、カボチャの中身をナベにもらう）

パステル：「じゃあ、私はこれでパンプキンパイを作るわ！　ルーミィ、手伝ってね？」
ルーミィ：「わかったおう！」

（パステル、ルーミィを連れて、キッチンへと姿を消す）

クレイ：「じゃあ俺は･･･ロウソクでも探してくるかな。あれ？　トラップは？」
キットン：「さっき、畑で見かけましたけど」
シロ：「何か、探してたデシよ」

（顔を見合わせて、首を傾げる一同）

クレイ：「トラップが畑なんて･･･珍しいこともあるもんだな」
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ノル：「･･･できた」

（ノル、完成したジャック・オ・ランタンを見せる）

パステル：「うわぁぁ、すごーい！」
クレイ：「さっすが、ノルだな！」

（大喜びするみんなの横で、ルーミィが泣き始める）

ルーミィ：「うわぁぁぁぁん、お化けだおぅ！　やだやだやだ、ルーミィこわい！」
パステル：「あらら、うまくできすぎちゃったみたいね」

（ノル、困った顔でジャック・オ・ランタンを隠す）

クレイ：「ルーミィ、お化けじゃないぞ。よーく見てごらん。ほーら、ルーミィの大好きなカボチャだぞ？」
パステル：「そうよ、ルーミィ。さっき、一緒にパンプキンパイ作ったじゃない？」

（ルーミィ、しゃくりあげながら、しげしげとジャック・オ・ランタンを見る）

ルーミィ：「かぼちゃ？」

（シロ、ジャック・オ・ランタンのニオイを嗅ぐ）

シロ：「ほんとデシ、カボチャのニオイ、するデシ！」
ルーミィ：「かばちゃなら、ルーミィ大好きだおう！」

（ルーミィ、にっこりと笑う。一同、ホッと息をつく）

（唐突に、頭にジャック・オ・ランタンのようなものを被り、白い布で体を覆ったお化けが姿をあらわす）

？？？：「うわはははは！」

（一同、ビックリ！！）

パステル：「ぎゃぁぁぁぁ！」
クレイ：「なんだなんだ！？」
？？？：「トンジャン大魔王様の登場だー！　お菓子をくれなきゃ、イタズラするぞー！！」

（トンジャン大魔王、ゆさゆさと頭を振りながら、ルーミィに迫る）

ルーミィ：「うわぁぁぁん！　トンジャン、トンジャンだおう！！」

（ルーミィ、大嫌いなトンジャンに迫られ、恐怖のあまり泣き叫ぶ！）

パステル：「あ、あれ？　もしかして、トンジャン大魔王の中･･･」
クレイ：「トラップか！？」

（パステルとクレイ、顔を見合わせる)

トラップ：「さぁチビすけ、イタズラされたくなかったら、そのお菓子を寄こせぇー」

（トラップ、ルーミィの傍らにあったパンプキンパイを指して、迫る）

ルーミィ：「わぁぁん、いやだぉう！　あげないおう！」

（泣き叫びながらも、果敢にパンプキンパイの前に立ちふさがるルーミィ！)

トラップ：「じゃあイタズラだぁぁー」

（手を伸ばすトラップに、ルーミィ、さっと取り出した銀のロッドを突きつける！））

ルーミィ：「やだおう！　えっとえっと･･･ディルムィルパァイルン･･･」
クレイ：「お、おい、ルーミィ！　その呪文は･･･」

（クレイ、慌てて止めようとするが、間に合わない！)

ルーミィ：「デス、マス、ファイアー！！」

（ロッドの先から、炎がほとばしる！）

トラップ：「うぎゃぁぁぁ、あっちぃぃぃ！」

（ばたばたと暴れまわるトラップ）

パステル：「きゃぁぁぁ、水、水！」

（どうやら、トンジャンが燃えているようだ）

シロ：「うぐぐぐ、トンジャン臭いデシ･･･」

（鼻を押さえて、シロがうずくまる）

クレイ：「ルーミィ、落ち着け！　コールドだ、コールド！」」
　　　
（大騒ぎから少し離れたところで、キットンとノルが腕組みしている）

キットン：「うーん、まぁ、これはトラップの自業自得ってとこですねぇ」
ノル：「･･･そうだな。ルーミィいじめた、罰だ」
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（荒い息をつきながら）

パステル：「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ、えっと･･･私たちの世界のハロウィンは、こんな感じ･･･になっちゃいました･･･」

（パステルの後ろで、包帯でぐるぐる巻きにされたトラップ、ふてくされている）

パステル：「ま、仮装は･･･トラップが、トンジャン大魔王とミイラ男を一人二役やってくれて、大盛り上がりといったところです･･･ですよね？　あははは･･･」
ルーミィ：「ぱーぷきんぱい、おいしかったおう！」
パステル：「あはは･･･そうねー、美味しかったわねー」

（パステル、足元にやってきたルーミィを抱き上げる）

パステル：「はぁ･･･で、では、そんなこんなで･･･また、次回お会いしましょう！」
ルーミィ：「ばいばーい！」

（パステルと、何も分かっていないルーミィ、虚空に向かって手を振る･･･）




 

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あとがき

お待たせいたしましたー。
新作ですが、場つなぎ作品です。
これなら、早い･･･構想１週間、執筆時間２時間！！
別サイトで脚本風をやって、ちょっと楽しかったので、持って来ちゃいました。
最初は、ラジオのパーソナリティにしようかとも思ったんですが。
人数が多いので。それこそ小劇場ですね。

今回、トラパスではありません。申し訳ありません。
なので、Ｗｅｂ拍手の小劇場も、ありません。

本当に、場つなぎで申し訳ありませんが･･･
これはこれで、面白いかな、と書きあがった今は思ってます。
パステルの世界に、こっちの世界の行事を持ち込むのは、私は好きではないんですね。
そのくせ、クロスオーバーやっちゃったけど。あれは若気の（!?）至りってことにして。
二次創作はしても、パラレル好きではないというのも、理由のひとつかも。
で、こうしてみました。
もしかしたら、クリスマス、お正月が･･･お目見えする・・・かも・・・
その前に、必ずリクいただいた作品を１本書き上げます。

また、しばし間が空くかとは思いますが･･･
どうか気長に、お待ちいただけると嬉しいです。

あと、今回行間を一行ずつ空けました。
特に、携帯からだと･･･このほうが見やすいかと思いまして。
それについてのご意見もあれば、伺いたいです。